文 献 综 述 ①渡邊安理（2012）「広告から見た社会と時代―男女のライフスタイルを中心に」東京女子大学言語文化研究21：78-91 　渡邊（2012）は、広告表現に映されるメッセージから、各時代の社会状況や男女ライフスタイルを考察した。

渡邊（2012）によると、広告は時代を映す鏡であると同時に、時代の先端をいく製品の販売を進めていくことや、新しいライフスタイルを提案するという点において、時代をリードして社会を変えていく働きを持っている。

したがって、広告表現を時代順に見ることによって、女性の生き方とライフスタイルにおける男女の役割変化が鮮明に浮かび上がる。

　渡邊（2012）は、現代における化粧品広告から伝わったメッセージを分析する。

化粧品広告では、主な消費者が女性を対象とすることにっよて、女性の生き方や化粧#12539;美容に関する意識といった社会文化的価値の特徴を見ていくことができる。

したがって、この研究において、各年齢層に向ける作られた化粧品広告を対象として、化粧品広告から反映された女性像や社会状況を考察する。

②関沢英彦（2007）「広告における女性たち」コミュニケーション科学25：29-58 　関沢（2007）は、広告における女性を表す言葉の出現率推移を研究した。

関沢は以下のように指摘した。

広告における女性を表す言葉の出現率推移において、「女#12539;女性」の存在感の高まりに比して，「奥さん」「妻」「母」といった言葉の影が，相対的に薄くなったことである。

こうした変化以上に注目すべきことは、第 1 転換期（1970 年代初頭）と第2 転換期（1980 年代半ば）という 2 つの転換期が見られる。